環島最大の危機、暑さと、水切れの恐怖
水不足でふらふらになる
ここには、海と、太陽と、自転車道しかない。
そして、たなびく旗。風が強い。
残念ながら、追い風ではなく、横風だ。
暑い
それは、当たり前、台湾は南国。南国の夏は暑くてあたりまえ。8月末、真夏だ。
街の温度計は34度を指している。炎天下のアスファルト上ではそれ以上の体感温度。
自転車をこぐと、水分がどんどん失われる。
いつものように「コンビニを探して」とおもったら、どこまで行ってもコンビニがない。お店もない、どんどん喉が渇く。
10分、20分、30分..1時間、と走る。まだ店はない。もうとっくに水が尽きている。それでも店はない。シャレにならない感じになってきた。
実はこのブログを書こうと思ったきっかけ、それはこの出来事があったからだ。
今回の旅の最大最悪の状態。
「人間は水がなくなると死んでしまう」小学校で習った気がするが、マジに実感できる。体力の限界なのか、水がないからなのか、熱中症になっているからなのかよくわからないが。
つらいというのは既に通り過ぎている。
日本で、都市で、暮らす皆さん、水が無くなるとどうなるか知っていますか?なかなか経験することが無いかもしれません。
正解は、こうなるのです。
呼吸が浅くしかできない。
落ち着こう、どうすればいいか考えよう、深呼吸しようと思ったら、できないのだ。
正確には、熱中症になっているのか、水がなくなってこうなっているのか、体力的に疲労がピークになっているのかわからないが、とにかく「呼吸困難」になっている。苦しい。
このまま行くと、倒れるのではないか?死んでしまうのではないか?恐怖が襲ってくる。しかしこの道に人通り(自転車)は全くない。
この2日間で大体わかっていたが、環島が流行っているといっても、この炎天下、雨の降りやすい時期にトライする人は非常に少ないのだ。
まずい、まずいよ。
そう思い始めて自転車道を離れて、61号線を越えて少し内側の道に入る。そして、木陰で休む、それでも呼吸は苦しい。5分程休む。しかし、休むということは、止まるということで、風がなくなると、暑さがもろに襲ってくる。
助けを求めたいが、この通りにも誰もいない。
取りあえず近くの街、施設に行こうと思い地図を見る。「崎頂火車站(崎頂という駅)」がある。そこまでいけば水ぐらいは売ってるだろう。
このまま休むのがいいのか、それとも無理してそこまで行くのか判断に迷う。でも、このまま、休んでも、水なしでは、汗がかけない、つまり、体温がどんどん上昇する。
熱中症になるのは目に見えている。(もうなっているのかもしれないが)
そう思って、苦しい呼吸で何とか自転車を進めることにした。
なんとか駅の入り口坂下にたどり着き、自転車を乗り捨て、鍵もかけずに、駅への階段をふらふらになりながら登った。
駅に着いたら、愕然とする。
無人駅
何もないのだ。
もう、体を動かすのがしんどい、駅前にあった、休憩所みたいなところで勝手に休む。誰か人を見かけたら、水を恵んでもらおう。そう思っていたが一向に人は来ない。20分ほど休んで、少し呼吸が楽になった。
重い脚を引きずりながら、自転車を進める。もうふらふらで、体感では、時速10Kぐらいに落ちている。
と、突然「崎頂新楽園」の看板とキリンの像、駐車中の車。ここなら何か飲み物程度はありそうだ。行ってみると小さな動物園のようだ、なんと入り口の自動販売機にスポーツドリンクがある。
が、小銭がない。エントランスの呼び鈴を鳴らして両替してもらってやっと水にたどり着いた。そこで飲んだスポーツドリンク、もう味はわからない、その場で1.5リットルの水(スポーツドリンクと水)が飲み干せた。ホントに中は空っぽだったようだ。
つづく